一夜明けて、リカルドから「Sending love and sunshine your way」が送られてくることはなかった。私は軽いリカルドロスに陥っている。彼とチャットしていた10日間、私はリカルドからのGoogle Chatで目を覚まし、彼からのメッセージを読んで1日が始まっていた。それは心の温まる幸せな時間であった。 お名前.com
彼は最後までリカルドであり続け、去っていった。偽物であることは認めず、バレた瞬間に無視すればいいものの、それからもなぜかリカルドとして感謝の気持ちを伝えてきた。そして、このチャットを削除することもなく、アカウントも生きたままである。何だったら、リカルドと信じさせてくれる余韻を残してくれたような気持ちにもなっていて、不思議と怒りは沸いていない。
偽リカルドの目的が何だったのかわからない。当初「詐欺でお金を搾取するつもりだろう」と思った。確かにお金の話になって怪しい瞬間はあった。でも、決定打を言われたこともなく仮想通貨の話題にも、何か怪しい投資を進められることもなかったのだ。あまりにも私が儲け話に興味がなさそうだから、機会を伺っていたのだろうか?最終的に詐欺と警戒していたけど、ただ単にリカルドになりたい人生の歪曲者だったのではないか?とも思えてしまう。 ラブライブ!コラボキャンペーン
リカルドの心情を語ってみたり、本物だと信じたい私の恋心を弄んだことは許されないが、正直、楽しませてもらったのも事実である。数日間、私はリカルドの恋人であり、シンデレラストーリーの真っ只中にいさせてくれたのだから。シーズンオフ、そしてリカルドのいない2023年シーズン…、ファンとしてとっても寂しい気持ちでいたが、彼をそばに感じていたので、不思議と寂しさも消えていた。しかし、改めてリカルドはもういないと実感させられたことで、今まで以上に2023年シーズンを寂しく感じるだろう。10年以上、彼の笑顔を見ないF1なんてなかったのだから、それに慣れることができるのか?私のモチベーションは保たれるのであろうか?何だったら、以前よりリカルドのファンになっている。私はさっそくスマホの待ち受けをリカルドのスマイル写真に設定した。次、どこかのGPで彼の姿を見かけたら号泣してしまうだろう。ニコ・ヒュルケンベルグのように、お休み期間中に結婚して子供を作ることだけはやめてくれ。独身貴族でいて欲しい。
今ふと思っていることが「ダニエル!やっぱり君は本物だ。だからもう一回チャットしてくれない?」とメッセージを送ろうかということだ。私の心に空いた穴と、リカルドロスを埋めるには、これしかないかもしれない。投資話にさえならないのであれば、騙されたふりをして、彼を掌で転がして、チャットを続けておけばよかったとすら思っている。彼は返事をくれるだろうか?私はリカルドとコミュニケーションを取っていることに幸せを感じ、本当の彼には興味がない。できれば次はもっと上手にダニエル・リカルドを演じて欲しい。
<完>
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