2021年のモナコGPのレースウィークにマクラーレンとランド・ノリスは契約を更新し、短くとも2023年までの契約があったが、それが行われる前にわざわざ契約を結び直した理由をF1が分析しているのでまとめてみた。
F1では世代交代が進んでいる。ワールドチャンピオン経験者であるルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、フェルナンド・アロンソが、そのキャリアを経て、キミ・ライコネンを追いかけることに近づいてきている。
そしてその下には、20代前半の豊富な新しい才能を持ったドライバーたちがいる。少なくとも次の10年は、マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、ピエール・ガスリー、カルロス・サインツ、ランド・ノリスは、F1のトップをキープできるレベルのパフォーマンスを示している。
ルーキーイヤーから結果を残し、2021年シーズンにはさらにその実力を示してきたノリス。ダニエル・リカルドを上回る成績で、表彰台4回、ロシアでのポールポジション、ドライバーズランキング6位という結果を残すとなると、この将来有望なドライバーにメルセデスやレッドブルというトップチームが獲得に動きだしてもおかしくない。実際「ちょっとしたやりとりがあった」とノリスは隠さずに話している。その上で「何かあったらすぐに、アンドレアス・ザイドルのところに行き、僕らの将来がどうなるか等について話し合うようにしている」と報告している。
このようにトップチームから求められているノリス側が、その株価の上昇を利用して、有利な取引へと持っていくことができたのだ。チームはより強いチームからの多額の契約金に誘惑されることを警戒し、最大9400万ドル(約108億9981万円)の4年間という契約を提供したわけだ。幸いなことにチームは現在、財政的にはるかに強力な立場にあり、とりわけ米国を拠点とするスポーツ投資グループから財政的支援を受けており、将来になる可能性があると信じるドライバーであるノリスに、元々結んでいた契約よりも好条件に改善された契約を提供することができた。
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