シーズン序盤ではチャンピオンシップ争いを真っ向から挑んでいたセルジオ・ペレスだったが、予選でのミスが相次ぎ、マックス・フェルスタッペンと大きくポイント差が開いてしまった。

ペレス更迭の噂が流れる中、レッドブルの首脳陣は「チェコは2位を保っている」ことが、彼を解雇する必要がない理由としている。迫ってきているフェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンに順位が逆転されることでもあれば、彼の立場は危うくなるが、2位を目標とするレースさえしていれば、今のレッドブルで1-2を取るのは難しいことではない。その上で、フェルスタッペンに立ち向かわずに、彼のサポートをすると態度で見せることも大切である。オーストリアGPでフェルスタッペンと接触しそうになった時「彼は自分の立場を理解する必要がある」とマルコが発言したのが、全てを表している。フェルスタッペンに敵意を剥き出しにして、接触するようなことを避けてフェルスタッペンの後ろを走ること。自身初のチャンピオンを狙えていたペレスであったが、その夢はすでに諦めており、キャリアの安定に切り替えたようだ。

【オーストラリアGP予選】レッドブルの不協和音/「ブレーキバランスに問題」と説明するセルジオ・ペレスに「違う」と反論するヘルムート・マルコ

オーストラリアGPの予選で、セルジオ・ペレスがセッション開始直後にクラッシュし、タイムを出せずに終わった。予選後ペレスは、F1の技術的な問題の詳細について語ろうとしなかったが、ブレーキバランスに関係していることを示唆した。FP3ではマシン...

スペインでレッドブルのショーランに出場したペレスは、地元のメディアにこのように語った。

「F1ではアブダビでの順位だけが重要だ。でも、僕は奇跡的に世界選手権2位になったわけじゃない。レースには勝ってきた。悪いレースもあったけれど、僕らの前にはすべてがあるんだ。ターゲットは間違いなく世界選手権で2位になること。そして（来週の）ハンガリーGPのことしか考えていない」

ショーランが行われた数日前、ダニエル・リカルドがアルファタウリのシートを獲得した。ニック・デフリースだけでなく、セルジオ・ペレスの不振も原因で、後継者候補のオーディションの一つとして報道をされており、また、レッドブルはランド・ノリスの獲得に動いていることからも、セルジオ・ペレスにまつわる報道は、長くても2024年の契約終了時で、レッドブルから切られることしかない。さまざまな脅威から逃れるためには、大人しく嫌われずに2位をキープすることしか残されていないと、現実を理解しているようだ。