候補に上がりながらも、ダニエル・リカルドのフェラーリ・メルセデスへの移籍が実現しなかった理由

レッドブル時代に成功を重ね、パドック・ファン共に人気のあるダニエル・リカルド。彼がレッドブルの最終年を迎えた2018年シーズン序盤では「リカルドは2019年にどのチームにいるのか」と話題になり、代表のクリスチャン・ホーナーも「ダニエルはマーケットのキング」と発言していた。確かにフェラーリやメルセデスが関心を寄せていたかもしれないが、不思議なことにどちらも真剣に移籍を実現させることはなかった。

長年にわたるF1パドックでの会話から明らかなのは、リカルドのキャラクターが、2018年だけでなく最近でもフェラーリ移籍のチャンスを妨げていた可能性があるということだ。情報筋がESPNに語ったところによれば、2018年に亡くなったフェラーリのセルジオ・マルキオンネ元会長は「リカルドはF1で最も有名なチームでドライブするには真剣さが足りない」と感じていたようだ。当時フェラーリのF1チームのボスだったマウリツィオ・アリバベーネは、かつて同僚に「リカルドは笑いすぎだと思う」と話していたという。

アリバベーネは、かつてF1日本GPのフリー走行でライバルチームが「シルク・ドゥ・ソレイユ」のような悪ふざけをしていると批判したことがある–。その悪ふざけはリカルドとダニール・クビアトがカメラに向かってダンスを披露したり、フェルスタッペンが釣りをしているふりをしたり、あるチームは水たまりの端から端までゴム製のアヒルを走らせるという行為なども含まれている。お名前.com

このような考え方は、長い間フェラーリに広がっていた。フェラーリというチームは、「こうでなければならない」と思っているチームなのだ。リカルドのパーソナリティに対するフェラーリの考えが、レースシート獲得のチャンスをどれだけ減らしたかを数値化するのは難しい。ラブライブ!コラボキャンペーン

2018年、リカルドはフェラーリと順調に交渉を進めており、あと1歩までというところで「突如何かに阻まれて立ち消えた」と話している。当時はセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンのチームメイトでベッテルは満足していた。
噂によると、「ベッテルにはチームメイトが誰になるのかについて意見をできる立場にあり、リカルドの移籍を阻んだ」というものもあった。4度のチャンピオンに輝いた翌年、レッドブルに昇格した若手のリカルドに負けてしまった苦い経験がある。もちろん彼は記者会見でその噂を否定し「ぼくはリカルドが好きだよ」と話している。

この噂が事実かどうかは定かではないが、当時候補として名前が挙がっていたのはリカルドと、アルファロメオで見事な出世を遂げ、印象的なルーキーシーズンを過ごしていた若きシャルル・ルクレールであった。リカルドと父のジョーは、誰よりもフェラーリ移籍を夢見ていたが、イタリアチームがルクレールに長期的な将来を託しているように見えることに不満を募らせた。
最終的に2019年のキミ・ライコネンの後任に選ばれたのは、ルクレールだった。セルジオ・マルキオンネ会長が亡くなる前にその意向を伝えたと言われている。

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結局ルノーと2年契約をすることにしたリカルドであったが、2021年のフェラーリ入りを希望していた。しかし、チームとの交渉はそれほど真剣なものではなかった。フェラーリの関心はすぐにサインツに集中し、そのサインツによってリカルドのマクラーレン移籍が開かれた。
フェラーリが求める “会社人間 “がいるとすれば、ルクレールやサインツがリカルドよりもその型にはまることは容易に想像できる。

メルセデスはどうだったのか。2ページに続く

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