元ワールドチャンピオンのネルソン・ピケが差別発言をしたことが問題視されている。ルイス・ハミルトンに対して「道徳的損害」として5,000,000ブラジル・レアル(約1億2400万円)の罰金を科された。その時の会話で、ハミルトンに対して一体どのような発言をしたのか、その内容はあまり知られていないので、ポルトガル語を日本語に翻訳してみました。
2021年イギリスGPでフェルスタッペンとハミルトンが衝突し、フェルスタッペンがリタイアに追い込まれたことについて、ピケが母国語であるポルトガル語でポッドキャストでおしゃべりしていた時に、ハミルトンのことを差別用語で表現したと報じられている。大きな問題となり、それを受けてピケは「ルイスは素晴らしいドライバーで、心から謝罪するが、メディアでポルトガル語から違った翻訳をされてしまった」と言い訳コメントを出したとSKYSPORTSF1が報じている。
ここまでは皆さん既にニュースで知っているでしょうが、いったい何て言ったのかはあまり知られていない。動画は出回っているが、ポルトガル語がわからない人々にとっては、内容がわからない。そこで当サイトはポルトガル語のバイリンガルに翻訳をしてもらい、その上でピケの言い分である「差別を意図して使った言葉ではない」なのかどうかも検証してみた。まず、こちらが問題の会話が収録されている動画↓
Nelson Piquet’s racial remarks against Lewis Hamilton live!🇧🇷 #NelsonPiquet #kellypiquet #sirlewishamilton #formula1 #f1 #senna #scuderiaferrari pic.twitter.com/OwqRTLrfbi
— F1 Third Umpire (@f1thirdumpire) June 28, 2022
会話の内容※太字がピケ(差別的な表現を記載していますがご了承ください)
Acho que foi na Inglaterra(イギリスでの事をどう思いますか?)
Em Silverstone?(シルバーストンのことかい?)
O neguinho meteu o carro e deixou(小さい黒人が突っ込んできたよね)
Mas foi o que Senna fez(でもセナもやってたでしょ)
Não (違う)
O Senna não fez isso(セナはそんなことやってない)
O Senna saiu reto.Reto.(セナは真っ直ぐ抜き去ったんだ。真っ直ぐね!)
Você acho que ele não faria aquela curva?(彼はそのカーブを曲がりきれると思う?)
Ele? Nunca!(彼が?出来てないじゃないか)
Entendi(分かります)
Não, ele foi para…(だいたい彼はね、)
Foi para ,assim,”aqui eu ‘ranco’ ele de qualquer maneira”(どんな方法でやってもこんな風に恨まれるやつなんだよ)
O neguinho deixou o carro, e é uma curva… (小さい黒人は車で去った。そしてあのカーブ…)
É porque você não conhece a curva(なぜなら君はあのカーブ知らないでしょ)
É uma curva muito de alta(あのカーブは凄いから)
não tem jeito de passar dois carros(2台の車で抜き去る手段がないんだよ)
e não tem jeito de você botar o carro do lado(併走する車を突き放す方法はないしね)
-Entendi(分かります)
-Ele faz de sacanagem(彼の行いは汚ないと思いますか?)
Ele faz sacanagem?(あいつが汚らしいやつだって?)
Agora, sorte que só o outro que se f*deu(今ラッキーなのはあのクソ野郎(F○CK)だけだよ)
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翻訳者に何も言わずにこの会話をまず聞いてもらった時に「この動画差別的発言があるけど大丈夫?」と聞かれた。それを受けて次の質問を投げかけた。「ピケは差別的な意図を持って発言していないと言い訳しているけど、その言い訳が納得できるものなのかどうか」ということ。お名前.com
例えば日本で「おちびちゃん」というのに、愛しくて言う場合もあれば、差別的に使われることもある。ピケが主張したいのは、ポルトガル語→英語などの他の言語では解釈されないような捉え方の違いではないかと思い、確認をしてみた。
回答としては「残念ながら相手にリスペクトがあって、愛着を持って悪ふざけで言ったようなものとは感じられない。悪意がある。彼と表現している部分もあるのにわざわざ小さい黒人を使っている。ルイスもしくは彼と言えばいいだけのこと」との意見であった。
問題になったと思われる単語はneguinho(ネギーニョ)で小さい黒人という意味がある。今はブラジルでも差別的に解釈されていて、人前で使うような単語ではない。ましてやメディアの前で使うなんてことはありえない。しかしブラジルには黒人が多く、身内の仲ではよく使われる単語ではあり、甥っ子を呼ぶ時に「ネギーニョ」と言ったりするそうです。
ちなみにロナウドとロナウジーニョがその例らしく、ロナウドが2人いて小さい方のロナウドがロナウジーニョと呼ばれている。なので、おじいちゃんであるピケの肩を持つなら、古い考えのまま時代に取り残されて、何も考えずに昔の感覚のまま使ってしまったのではないかとも解釈できます。というか、家では普段からハミルトンのことをそう呼んでいたのでは?ラブライブ!コラボキャンペーン
ネルソン・ピケはマックス・フェルスタッペンの彼女であるケリー・ピケの父親で、2021年シーズンでフェルスタッペンとチャンピオン争いをしていたハミルトンを応援していなかったのは理解できる。しかし、ハミルトンのキャリアは長く、ピケとパドックで顔をあわせることも多かっただろうことから、ピケの言い訳として、おじいちゃんが家族のように超親しい若者に対して使ったという解釈もできなくはないそうだ。それに愛情がある小さい黒人なのか、差別的な意図のある小さい黒人なのか、真逆の感情があり、どう捉えるかでしょう。とはいえども、その単語だけではなく、会話の全体の内容から悪意はあるなって思いますが。言葉が持つ二面性を理解した上で、皆さんはどう感じましたか?ピケのパドックへのアクセスは、このニュースが明るみに出た後、無期限に停止された。
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