リカルドのルノー(現アルピーヌ)時代は、明らかに彼の思ったようにはいかなかった。2016年に本格的なメーカーに復帰した際に掲げた高い目標を達成するのに苦労していただけでなく、肥大化した指導層の中で内輪もめに悩まされていたチームに彼は加わったのだ。最近チームの一員となった他のドライバーたちと同様、リカルドもチームの経営状態の悪さに驚いていた。同様の理由で、ここ数年、カルロス・サインツ、フェルナンド・アロンソ、オスカー・ピアストリが可能な限り早い機会にチームを去っている。
ロックダウンの初期に、ブラウンとリカルドは再び話し合った。2018年、リカルドはマクラーレンのオファーを真剣に検討した、ブラウンはこの先起こるであろうことについて多くの約束をしてくるが、結局のところ、実際にそれを示すものはほとんどないと感じていた。それから1年半が経ち、マクラーレンはブラウンのビジョンを実行していた–2019年初頭にはチームボスのアンドレアス・ザイドル、テクニカルチーフのジェームズ・キーという高評価の人材と契約し、サーキットでの成績も向上していたのだ。この年、マクラーレンは6位から4位に浮上し、5年ぶりの表彰台を獲得するなど、景気のいい話が続いていた。
マクラーレンが復活し、リカルドとブラウンは2020年の初戦(パンデミックのため7月に開催)前に2021年の契約に合意したため、、リカルドのルノーとの契約はフルシーズンを残した。それは事実上、すでに捨てた大切な人と1年間を過ごすようなものだ。特にマクラーレンは中団の直接のライバルであり、今もそうであるため、フランスチームの舞台裏では不満が募る。
チームの中には、リカルドが出発する前の2020年に、2回の表彰台を獲得したにもかかわらず、ルノーが高額な契約を結んでいることに価値を見いだせなかったと舞台裏でコメントする者もいた。
ルノーはリカルドに有利な契約を結んでいたため、彼がレッドブルで不満に感じていた商業的な義務(プロモーションなどの宣伝活動)を大幅に軽減することができたのだ。
アルピーヌと呼ばれるようになったルノーは、この経緯を覚えているはずだ。ルノーCEOのルカ・デ・メオは、わずか12カ月前にリカルドに大きな投資をしただけに、この決断に若干の裏切りを感じ、またリカルドが離脱前にチームについて熱く語ることはなかったと考えている。2022年8月にリカルドとマクラーレンの離別が発表されると、リカルドはすぐにアルピーヌに戻るルートを–かつて苦楽を共にしたチームとは異なる首脳陣によって–しっかりと閉ざされたことに気づいた。
当初、アルピーヌへの復帰はリカルドにとって非常に魅力的なものだったようで、新しいチームボスであるオトマール・ザフナウアーもリカルドの復帰を熱望していると言われていた。
しかし、デ・メオはオールフランスのラインアップを確保することにこだわり、アルピーヌはアルファタウリからピエール・ガスリーを獲得してそれを実現した。 じゃらんnet
マクラーレンを去るリカルド。4ページ目に続く
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