同期の2人:サインツとフェルスタッペンの関係性。マルコは「マックス同等に速い男だと知っていた」と今更実力を認める

マックス・フェルスタッペンと同じシーズンに同じチームでF1デビューを果たしたカルロス・サインツjr。ヘルムート・マルコは、キャリアの重要な瞬間にフェルスタッペンと対戦することになり「カルロスは運が悪かった」と語っている。

フェルスタッペンとサインツは2015年にチームメイトとしてトロ・ロッソからF1デビューを果たした。1年後、レッドブルのダニール・クビアトがトロ・ロッソに降格、それに入れ替わる形で昇進したのがフェルスタッペンサインツからしたら、チームメイトに先にいかれてしまった訳だ。ショックだったのはクビになったクビアトだけでなく、影に隠れてしまったサインツも感じていたのだろう。フェルスタッペンがレッドブルのシートに納まっている間はサインツは昇進してシートを提供されることはなく、2017年の日本GPを最後にルノーにレンタルという形でチームを移った。

フェルスタッペンが、レッドブルでワールドチャンピオンを獲得した2021年、サインツはフェラーリで迎える初シーズンでランキング5位になった。

マルコは、もしフェルスタッペンがいなければ、サインツはレッドブルファミリーで、もっと長いキャリアを送っていたかもしれないと考えている。そしてAutorevueに次のように語った。「サインツは肝心な時にフェルスタッペンに出くわした。シルバーストーンでの最初のテストで、彼がとてつもなく速い男だとわかったよ。フェルスタッペンとほぼ同じレベルだったよ。ほとんどね。しかし、フェルスタッペンとサインツのどちらかを選択したとき、それは明確だった」

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サインツがトロ・ロッソで3シーズン目を迎えた時にプロモーションの選択肢がなかった。レッドブルは2018年はフェルスタッペンとダニエル・リカルドで行くことが決まっていた。「この2人がレッドブル史上最強のコンビだー」とレッドブル代表のクリスチャン・ホーナーも発言していたし、この牙城を崩せそうにもない。その頃からサインツが「このままでいくと、トロ・ロッソで4年目も過ごすことになる。トロ・ロッソで過ごす歴代最長のドライバーになっちゃう」との不満を、メディアにポロポロ話していた。実力はあるのにシートに空きがなくて、トロ・ロッソから動けない人になっていた。結局サインツはルノーにレンタル移籍した。

「がっかりしていたよ。でも彼の父親が1番がっかりが多かったかな」とマルコは回想し「でも契約がまだ続いていたので、できることとして、まず最初にルノーに貸し出すことにした」

リカルドが2019年以降もレッドブルに残るのが濃厚と思われていた最中に、ルノーと契約してしまう。レッドブルの空いたシートに座るのはピエール・ガスリーで、その玉突きでサインツは2019年にマクラーレンに加わった。ブラジルで3位、初のF1表彰台を獲得し、1年後の2020年イタリアGPでは2位につけた。

昨シーズン、フェラーリでの最初の年に、彼は4回表彰台を獲得し、ドライバーズランキングの順位で評価の高いチームメイトのシャルル・ルクレールを破った。

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「サインツは間違いなくトップドライバーの一人だ」とマルコは付け加えた。「彼はそれを証明した。私の目には、彼はルクレールを目覚めさせたようにみえるね。ルクレールが多くの事故を起こしても、サインツはそこでスピードを発揮していた。そしてマクラーレンで、ランド・ノリスは地位を最も確立した一人であるが、サインツは間違いなく彼に遅れをとっていなかった」

サインツがノリスより良い成績を収めて、レッドブルが残したいと懇願していたリカルドがノリスに遅れをとってしまったことや、トップドライバーとされているルクレールよりサインツが成績が良かったことに、マルコはサインツの実力を改めて認めているようだ。

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だけど、だったらリカルドが抜けた後、サインツを選ぶという選択肢をとってもよかったのではと思ってしまう。

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